早見さんの小説の中で一番大好きな作品がこの『イノセント・デイズ』でした。人間にとって幸せとは何なのか、幸せの定義を求められた時、僕には答えがなかった。だせるわけもないんです。幸せに定義なんてないのかもしれない。でも、ただただ信じていたい、そんな気持ちにさせられました。, 「イノセント・デイズ」はミステリー小説としてももちろんおもしろいのですが、それ以上に「考えさせられる」タイプの作品なんですよね。, 特にあの衝撃的な結末を読み終えた後は、確かに「幸せって何?」と自問したくなります。, というわけで今回はドラマもされた小説「イノセント・デイズ」のネタバレ解説と感想をお届けします!. 3分, 覚悟はしていましたが、辛い結末でした。ようやく幸乃との面会を果たし、慎一は自分が犯した罪を幸乃に打ち明けます。幸乃が選んだ“幸せ”は、あまりにもやるせなくて悲しい。脳裏に焼きつくショッキングな最終回でした。, 最後の瞬間、幸乃は慎一たちと丘の上で遊んでいた子供の頃を思い出し、笑いながら旅立ちます。彼女が心から幸福を感じられたのは、本当に、あの頃だけだったんですね……。, 幸乃は瞳に、「もし、本当に私のことを必要としてくれる誰かがいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが怖い。それは、ここで死ぬことよりずっと怖いことなんです」と言いました。, 生きていられないほどの深い悲しみを抱えた人に、生きろというのは、酷なことなのでしょうか……。, 古本屋のおばあさんは、たびたびレジのお金がなくなっていることに気づき、幸乃を疑っていた。あの日、たまたま幸乃とおそろいの服を着ていた理子を、泥棒と間違えて警察に突き出そうとしたんですね。, 理子はおばあさんに怪我を負わせて逃げ、結局、理子と慎一の罪を幸乃がひとりで被ることになってしまった……。, 自分の罪が明るみに出ることを恐れた慎一は、幸乃が犯人ではないことを知っていたのに、本当のことが言えなかった。, それでずっと、幸乃に対して負い目を感じると同時に、今回の事件も幸乃が犯人ではないと、信じることができたのだと思います。, 裁判で死刑判決を受けたとき、幸乃が傍聴席にいる慎一を見て微笑んだ理由は、わからないままでした。, もしかしたら、幸乃は昔から慎一の優しさと弱さを知っていて、守ろうとしたのかもしれない……と、わたしは思っています。, アパートの管理人・草部に注意されたことで、逆恨みをして、草部の家に放火しようとしたんですね。, でも、そのとき草部は、幸乃のストーカー行為に怯える井上の気持ちを考慮し、表札を入れ替えていました。, 「事件の夜、あの女を見た」という目撃証言をしたおばあさんは、孫が事件の犯人であることを知っていて、幸乃に罪を被せようとしたと思われます。, 慎一が幸乃のために動き始めてから5年(あれから5年も経っていたんですね)。ようやく辿り着いた真犯人でした。, 普通なら、ここで幸乃の死刑執行命令は停止され、やがて幸乃が犯人ではないことが証明され、無罪となって釈放されるはず。, 「あなたのことを必要としている人は確かにいるのに、それでも死にあらがおうとしないのは傲慢だ!」, 瞳は、わざと幸乃を興奮させるようなことを言って、死刑執行を阻止しようとする。幸乃が持病の発作を起こして気を失えば、その日の死刑執行は停止されるからです。, わたしはずっと、この幸乃の持病(興奮すると気絶する)が何を意味するのか、わかりませんでした。物語の展開において、特に必要とは思えなかったからです。, 瞳は、発作を起こした幸乃を見て、「あなたほんとは生きたいんでしょう!」と叫びます。, 必死に発作を抑え、意識を保とうとする幸乃。それは、自分の中に存在する「生きたい」という思い、死に抗おうとする気持ちを、殺すことです。, このシーンの竹内結子さんの演技は鬼気迫るものがあり、凄絶でした。幸乃の“幸福のための死”に向かう凄まじい執念が、全身からあふれ出していました。, 幸乃は発作を抑え、処刑場へ向かいます。幸乃の覚悟を見て取った瞳(芳根京子さん)が、なすすべもなく見送る表情もよかったです。, その後の処刑場でのシーンは、かなり衝撃的でした。死刑執行の様子を、ここまでリアルに、細部まで生々しく再現したドラマは初めて見ました。, 最後には、幸乃の無垢な心が救われる結末であってほしいと願っていましたが、それは偽善かもしれない……。そんなことを考えさせる、深い作品でした。.

死よりも怖いもの . 追悼・竹内結子様:ドラマ『イノセント・デイズ』拝見 . 早見和真さん『イノセント・デイズ』あらすじと感想です。少しだけネタバレあります。wowowドラマの原作小説。登場人物とキャストをまとめました。ラストが衝撃でした。切なくて涙が止まりませんで … 竹内結子様. 佐渡山瞳が刑務官になるまでの話。ここでは瞳、その恋人の春樹の名前は出てこず、エピローグまでどこに繋がってくるのか分かりません。 また事件の背景が大まかに説明されます。 本書の重大なキーワードである「なんか、いかにもだよね」がここで登場し、瞳、そして読者に重くのしかかってきます。 ・佐渡山瞳 19歳の時、大学の映画サークルの先輩にとっておきのデートスポットとして裁判所に連れていかれ、それ以来、裁判を傍聴することが趣味になった。ある裁判の傍聴で春樹と知り合い、連絡 … 2018年4月23日2020年9月29日 (adsbygoogle=window.adsbygoogle||[]).push({}); 取り調べでは素直に罪を認めており、第一審で極刑判決が出たにもかかわらず控訴はしていない。, 中でも彼女に関する『ある秘密』を知っている幸乃の幼馴染・佐々木慎一は報道を見てすぐに「あの子はやってない」と直感した。, 小説「イノセントデイズ」は全7章にプロローグとエピローグを加えた計9つの区切りで構成されています。, プロローグの段階ですでに物語の中心人物「田中幸乃」には極刑判決が下されていて、第一部では「幸乃の生い立ち~事件当日まで」が、第二部では「判決~刑の執行まで」が描かれています。, 複数の人物の視点から「田中幸乃」の人物像と半生が語られていく構成がこの作品の大きな特徴の1つなんですね。, 今回はそんな内容を簡潔に整理しつつ、重要なネタバレ部分のみに焦点を当てて解説していきたいと思います!, ※しっかり物語の進行を追いたい方や詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!, 「イノセント・デイズ」中盤までの面白いところは、プロローグで提示された「田中幸乃の人物像」がどんどん覆っていくところです。, 以下は各章のタイトルにもなっている裁判長の言葉なのですが、実際の内容と照らし合わせてみると「全然真実と違う!」ということがわかってきます。, ⇒ 幸乃の母は確かに十七歳という若さで子供を産んだが、十分に母としての覚悟を持っていた。, ⇒ 幼い頃、幸乃は幸せな家庭で愛されて育った。養父が幸乃に手を上げたことは事実だが、それは1度だけのこと。妻(幸乃の母)を事故で失ったショックから酒に呑まれ、ついそうしてしまった。, ⇒ 強盗致傷事件の真犯人は幸乃の友人だった小曽根理子。幸乃は理子をかばって身代わりになっただけ(慎一だけがこの秘密を知っていた), ⇒ 幸乃の恋人だった井上敬介は最低な男だった。家では幸乃に暴力を振るい、外では幸乃の金でギャンブルに興じる日々。最後には二股していた相手である美香(後の妻)を選び、一方的に幸乃を捨てた。, ⇒ 事件当時、幸乃は抗不安剤の過剰摂取で意識がもうろうとしていた。事件時の記憶もあやふやな状態。少なくても幸乃には計画性や放火の意図はなかった。それどころか、幸乃は草部老人との対話を通じてストーカー行為をやめて生まれ変わることを決意していた。整形手術を受けたのは逮捕から逃れるためではなく、新しい自分に生まれ変わるためだった。, プロローグで提示された幸乃の人物像は「不幸な生い立ちから道を外れてしまった典型的なダメ女」というものでしたが、物語が進んでいくにつれて、読者は「あれ、なんか違うぞ?」ということに気づいていきます。, 母の他界をきっかけに幸乃の人生は狂いはじめ、天使のような少女だった幸乃はそれこそ薄幸を絵にかいたような女の子に育っていってしまいます。, 幸乃はそんな当たり前のことだけを望み…結果として信じた人からことごとく裏切られるという凄惨な人生を歩むことになりました。, 養父からは1度きりとはいえ暴力を振るわれ、その後幸乃を引き取った祖母からはやがて疎まれるようになり、唯一の友人だった理子からは身代わりにされ、最後に信じた恋人からは酷い目にあわされた上に一方的に捨てられて…。, そんなどん底に突き落とされてもなお、幸乃は草部老人との対話から「新しい自分に変わりたい。人生をやり直したい」と再び前を向くことができたのです。, このことからも、いかに田中幸乃が「善良で芯の強い人物」だったか…言い換えれば「純真無垢(イノセント)な人物」だったかが見て取れます。, 以上のような『本当の田中幸乃の人物像』にたどり着いた時、読者はこう疑問に思わざるを得ません。, 中学生の時、友人をかばって捕まり施設に入れられたように、今回も本当は無実なのでは…?, 物語中盤まで進んだ多くの読者は「これは冤罪だろう」とほとんど確信に近い予感を抱くことでしょう。, 第二部最大の見せ場といえば、幸乃を助けるために奔走していた佐々木慎一がついに事件の真相にたどり着くシーンでしょう!, 判決から6年が経過し、いつ幸乃の刑が執行されてもおかしくない状況の中、慎一がたどり着いたのは裁判の傍聴席にもいた「謎の老婆(江藤)」, ・不良グループの本当の狙いは草部老人だった。動機は公園で説教されたことに対する仕返し。, ・不良グループは「草部」と表札の出ている部屋に火をつけたが、その部屋に住んでいたのは井上家だった(幸乃のストーカー行為への対策として井上家と草部家は表札を入れ替えていた), ・その日は空気が乾燥しており、火事は少年たちの予想を超えた規模にまで発展してしまった。, 当日、幸乃がアパートの前にいたのは衝動的な行動の結果であり、美香と目が合った後はそのまま帰っただけ。, その後、浩明少年は良心の呵責から自首しようとしましたが、江藤老婆はそれを許しませんでした。, 浩明とは縁もゆかりもない「田中幸乃」という女が、なぜか真犯人だということになっていたからです。, 老婆は孫可愛さから幸乃を身代わりにすることを決意し、メディアに出ては目撃証言や幸乃を批判するコメントを繰り返しました。, しかし、浩明少年は見知らぬ人間を身代わりにしたという罪の重さに耐えられず、後にバイク事故で他界。, 慎一が真実に辿りついた秋の日、まだ「幸乃の刑が執行された」というニュースは流れていませんでした。, 7章のラスト、きっと読者の誰もがそんなエピローグを確信してほっと一息をついたことでしょう。, しかし、まだ今回の事件に関してある意味最大の謎が残されていることに、もしかしたらあなたはモヤモヤしているかもしれませんね。, 前述の通り、幸乃と真犯人である不良グループとの間にはなんのつながりもありませんでした。, 中学生の事件のときのように「誰かをかばっているから」というもっともらしい理由は成立しないのです。, という疑問を抱えながら、読者は女性刑務官・佐渡山瞳視点の物語を読み進めていくことになります。, 瞳は幸乃が無実であることに気づいていて、なんとか幸乃の処刑を先延ばしにできないかと行動しますが…あえなく失敗。, というのも、瞳は言葉で幸乃を追い詰めて「持病の失神」を起こすことで刑を中断させようとしたのですが、その幸乃自身が歯を食いしばって気を失うことを拒んだのです。, では、なぜ幸乃は無実なのにそんなに一生懸命になってまで裁かれようとしているのでしょうか?, 「もう怖いんですよ。佐渡山さん。もし本当に私を必要としてくれる人がいるんだとしたら、もうその人に見捨てられるのが恐いんです。それは何年もここで耐え忍ぶことより、命を失うことよりずっと恐いことなんです」, 信じた人から裏切られ続けた人生の果てに、幸乃はいつしか「もうすべてを終わらせてしまいたい」と願うようになりました。, そんな幸乃にとって、誤認逮捕されたことは「自動的に自分の命を終わらせることができるチャンス」だったのです。, だから幸乃は「自分は犯人じゃない」と言わなかったし、控訴をしない一方で一切の反省を見せなかったんですね。, そしてまさに今、幸乃が懸命に失神を拒んだのも「自分の命を終わらせるという人生最大の願いを叶えるため」, そうして力を振り絞って自分自身と闘った幸乃は…最後の最後でやっと悲願を叶えることに成功しました。, 慎一は思わず「間に合った」と口にしましたが、実はほんのわずかな差で幸乃の願いの方が先に「間に合って」しまっていたんですね。, 「なんだかんだ最後には慎一が幸乃を助けてハッピーエンド」だと思っていたので「そんな!裏切られた!」という気持ちが強かったです。, エピローグまでの流れは完璧に私が期待していた「ハッピーエンド」への道のりを辿っていて、なんならエピローグは「幸乃はもう一度だけ人(慎一)を信じることができました。2人は末永く幸せに暮らしましたとさ」というものだと予想していただけに本当にショックな結末でした。, たった一日の差で間に合わなかった慎一は、その日の夜の報道を見ていったいどうなってしまうのだろう…?, 幸乃を散々酷い目にあわせてきた理子や敬介がのうのうと生き延びているということが許せませんでしたし、老婆の決心が遅すぎた…というより最初から浩明を自首させなかったことにふつふつと怒りがこみ上げてきました。, しかし、時間をおいて考えてみると、あの結末には「別の捉え方」があるのだということに気がつきました。, 幸乃の立場に立って考えてみると、彼女は最後に「心からの願い」を叶えることができたわけですし、もう人を信じることはできなかったとしても「慎一から必要とされている」という事実そのものは幸乃にとって嬉しいものだったのではないでしょうか。, そう考えると、むしろ周囲の干渉によって望まぬまま生きながらえてしまうことこそが幸乃にとってのバッドエンドだったのでしょう。, それを自身の意志で回避し、しっかりと本懐を遂げられたのですから、幸乃はきっと満足して最期の時を迎えたはずです。, 読者(そして慎一)の視点はともかくとして、物語の中心人物である幸乃自身が満足している以上、「イノセント・デイズ」の結末は悲しく切ないものではあれど、決して「不幸なラスト」でも「イヤミス的な終わり方」でもなかったのだと思います。, かといってもちろん「ハッピーエンド」だったとは思いませんし、この結末の受け取り方はきっと人それぞれなのでしょう。, 私の場合は慎一に感情移入していたので「この後の慎一はどうなってしまうのか…」ということばかりが気になり、暗い気持ちになりました。, しかし、それはあくまで「イノセント・デイズ」という複雑な物語の終わりに対する「1つの捉え方」でしかありません。, こういう「最初に提示された事実」が過去の回想の中でどんどん覆っていくタイプの構成は読んでいて面白いですよね。, 「イノセント・デイズ」の場合、そのままハッピーエンドに向かうと油断させておいて、なんとエピローグでもう一度事態をひっくり返すという仕掛けが衝撃的で、読んでいて本当に「えっ、まさか、なんで!?」と声が出てしまいました。, 妻夫木さんが「幸せとは何か?」と自問自答したように、「イノセント・デイズ」はかなり深いテーマを含んだ『考えさせられる1冊』だと思います。, ※配信情報は2020年6月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。, ※31日間のお試し期間中に解約すれば支払いはゼロ円! 早見和真「イノセント・デイズ」がドラマ化!主演の妻夫木聡さんを始め、竹内結子さんや新井浩文さんなど豪華なキャストが注目を... 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wowowドラマ「イノセント・デイズ」第4話のあらすじと感想です。今回もよかったです。登場人物がみんなそれぞれに事情を抱えているのですが、一辺倒ではない描き方で見せてくれるので … まずは小説の基本情報から押さえていきましょう! ★あらすじ 『放火により元恋人の妻と幼い双子の娘の尊い命を奪った』 被告・田中幸乃に下された判決は「死刑」 事件当時、彼女は元恋人・井上敬介にストーカー行為を繰り返していた。 また、事件当日も彼女は現場近くで目撃されている。 取り調べでは素直に罪を認めており、第一審で極刑判決が出たにもかかわらず控訴はしていない。 ニュースでは事件の凶悪さと一緒に、彼 … イノセント・デイズの感想48件が公開中(評価3.45)。評価ランキングやキャスト、視聴率も。誰でもドラマの感想を書けるドラマレビューサイト。(全6話)佐々木慎一は、幼なじみの女性確定死刑囚が犯したとされる罪の真偽に疑問を感じる。 面白くて一気読み間違いなし、徹夜本オススメ小説&絵本を厳選しました。切なくて泣けるミステリー小説、アート小説、怖いけどクセになるホラー小説、大人にも読んでもらいたい学べる絵本などについて書いています。... 読み始めたら止まらない面白い小説を厳選しました。ミステリー&ホラー、ファンタジー、古典、SF・・・と、おすすめの15冊です。面白すぎて一気読み必須です。ぜひ読書の参考にして下さい。... 貴志祐介さんのホラー小説の中で特にオススメを厳選しました。怖すぎるサイコパスもの、切なくて泣ける小説、面白すぎた長編SFなどをご紹介。簡単なあらすじと感想も書いています。... https://hon-tabi.com/wp-content/uploads/2019/12/f81fd2e4c52864042852c112ce927ae2.png. 享年40歳 . (U-NEXTの無料トライアルについてもっと詳しく見る).

wowowのドラマ『イノセント・デイズ』全6話を鑑賞しました。 早見和真の同名小説が原作です。 主演は妻夫木聡で企画にも携わったとのこと。 妻夫木聡の幼馴染みで死刑囚役に竹内結子、同じく幼馴染みで弁護士役に新井浩文、その他石橋蓮司、池内博之、余貴美子などなど。 『連続ドラマW イノセント・デイズ』が、wowowプライムにて3月18日(日曜日)から、妻夫木聡さん主演で放送されることが決まっています! こちらの「イノセント・デイズ」は原作があり、原作では主人公の幼馴染として登場する佐々木慎一(妻夫木聡)が主人公。 イノセント・デイズのドラマ情報。176件のドラマレビュー・感想・評価、あらすじ、イノセント・デイズの動画を配信している動画配信サービスの情報。石川慶監督、妻夫木聡出演。佐々木慎一(妻夫木聡)は死刑判決を待つ幼なじみの田中幸乃(竹内結子)を救おうと奔走、彼女の凄絶な過去を知る。

早見和真さんの小説『イノセント・デイズ』感想です。ドラマ化されました。佐々木慎一を演じるのは妻夫木聡さん。田中雪乃を演じるのは竹内結子さんです。, 【あらすじ】 元恋人の家に火をつけ、妻と子供を殺めた罪で田中幸乃は死刑判決を受ける。なぜ彼女はそんな犯行に及んだのか? 辛い過去、彼女を慕う人々、切なさと優しさが交差する・・・。日本推理作家協会賞受賞作。, 読んだ人たちの大半が切なさに涙するのではないかと思います。雪乃の過酷な人生だったり、彼女を思う慎一の温かさだったり、ラストの展開だったり・・・。, 前半は 事件前までの彼女が様々な登場人物の視点で、後半は 死刑確定後に彼女の再審を求めて奔走する翔と慎一の視点で描れていました。, 気になるのはこの2点でしょうか。極端なネタバレは避けますが、感じたことを書きますので展開が想像できてしまうかもしれません。, 『イノセント・デイズ』は 田中雪乃という1人の女性の人生にスポットを当てたお話です。, 死刑執行を匂わせる物語の始まりに息を飲みました。放火殺人事件で有罪になり、死刑が確定した雪乃。・・・彼女の歩む人生は過酷でした。, 初めて読んだのは3年ほど前。そのときの感想は 悲しく悔しい!!でした。でも再読すると、また違った感情がわきあがってきました。, 実を言うと、読み始めた時は主人公の田中雪乃に魅力を感じませんでした。客観的に見てです。, 当時付き合っていた敬介に必要とされて喜びを感じるとともに、別れを切り出されるとストーカーのように付きまとう。あげくの果てに放火殺人で有罪になってしまいます。, 魅力は感じませんが、放っておけない可愛さを感じました。敬介に執着してしまう気持ちも理解できてしまう。, 報道されている彼女は残忍な殺人犯ですが、全く違う彼女を知ることになります。とても放火殺人なんて犯しそうにない・・・。, 小説の表紙は 少女の頃の雪乃が描かれています。それを見ていたら雪乃の人生に思いを馳せてしまいました。, 母が亡くなったときから狂いはじめた人生。あの分岐点がなければ違った道を歩んでいたかもしれません。, イノセントには もう1つ重要な意味があります。そのまま彼女を表しているのですが、気になる方は検索してみてください。.