All rights reserved. 消防士の採用試験は、他の公務員採用試験と比べ体力検査や適性検査など、特別な検査が加わります。そして、近年消防士人気が高まる中受験者が年々増えており、合格率が高いとはいえない状況です。そこで、試験内容や倍率など消防士採用試験の現状を解説していきます。, 火災現場など災害現場で命がけの人命救助を行う消防士の姿をドラマやドキュメンタリーなどで見かけ、子供の頃から消防士を夢見てきた人も多いでしょう。厳しい現場で働く消防士になるためには、教養試験だけでなく体力検査や適性検査など、消防士としての適正を調べるためのさまざまな試験を受験し合格しなければなりません。このコーナーでは消防士の試験科目や難易度など、消防士の受験を考えている人のために詳細をご紹介します。, 消防官採用試験に受かり消防士になると、地方自治体管轄の消防本部や消防署に勤務する事になります。つまり消防士は地方公務員であり、消防士になるためには各々地方自治体で行われている消防官採用試験を受験し合格する必要があります。規模の小さな自治体では、消防組合や広域事務組合などで消防官採用試験を行うところもありますが、採用試験会場や時期、募集人数などは自治体ごとに違っていますので、事前に確認しておきましょう。, 消防士の採用試験で有利となる資格には、救急救命士や防火管理者、危険物取扱者、消防設備士毒物取扱者などがあります。その中でも救急救命士は、消防官採用試験の一般枠と別に特別枠として救急救命士枠が設けられていることが多く、合格率は一般枠に比べて高くなっていますので消防士の採用試験においてかなり有利な資格と言えます。救急救命士の資格を取得するには、専門学校で学んだ後国家試験を受験し合格しなければなりません。, 消防士は危険な場所での活動が多いことから、救助者や消防士自身の命を守るため一般的な公務員試験と違って特別な受験資格が設けられています。受験資格には年齢制限や身体的条件などがありますが、厳密に守られる条件と大まかな条件がありますので、確認に注意が必要です。また、この年齢制限や身体的条件は各自治体ごとに基準が異なっていますので、消防士になりたいと思ったらまず最初に希望の自治体の受験資格を確認してください。, 全般的に年齢制限は3段階に区切られており、「上級」「中級」「初級」としている自治体もありますが、東京都では「1類:22歳以上30歳未満(大卒程度)」「2類:20歳以上30歳未満(短大卒程度)」「3類:18歳以上22歳未満(高卒程度)」としています。この3つの区分は、あくまでも学力の難易度を示しているもので、最終的な学歴を問うものではありません。年齢がクリアされていれば誰でも受験資格はあると考えて良いでしょう。, 身体条件について東京都の内容を参考までにご紹介しますと、「身長:男性160cm以上女性155cm以上」「体重:男性50kg以上女性45kg以上」「胸囲:身長の半分」「視力(矯正視力を含む):片目で0.3以上、両目で0.7以上(赤・青・黄の識別有)」「聴力:正常値」「肺活量:男性3,000cc以上、女性2,500cc以上」となっています。視力と聴力以外は「およそ」の数字で、多少の誤差は認められるようです。, 消防士の採用試験の内容は、採用試験を実施している自治体によって多少は違っていますが、「教養試験」「論文または作文試験」「適正試験」「体力検査」最後に「面接試験」などを一次試験と二次試験に分けて行われるのが一般的です。一次試験では筆記試験が行われ、一定以上の点数を取得した者が二次試験の受験資格を得ます。, 消防士の採用試験は他の公務員試験と比べて比較的解きやすいと言われていますが、消防士の採用試験を受験する人が多いため倍率は高く合格率は低くなっており、合格するのは容易なことではありません。その中を勝ち抜くためには、ある程度それぞれの試験の傾向を知って効果的な勉強を行うことが重要でしょう。この項目では、消防士の採用試験に登場する試験の内容について詳しくご紹介します。, 消防士の教養試験の内容は「一般知能分野」と「一般知識分野」に分かれており、5つの文章から正しいものや間違っているものを選択する「五肢択一式」で回答します。「一般知能分野」では、現代文・古文・英文の文章理解や数的推理、判断推理、資料解釈など一般的な理解力や判断力が試されます。, 「一般知識分野」では、社会・政治・経済・法律関係などから出題される「社会科学」や数学・生物・地学・物理・化学関係などから出題される「自然科学」、また世界史・日本史・地理・文学・思想・芸術関係などから出題される「人文科学」と出題範囲は広く、一般的な知識力が試されます。, 消防官採用試験の出題科目や試験の内容は自治体ごとに異なりますが、全体的に高校で習った内容ですので試験の難しさはどの自治体も大差はないようです。いずれにしても出題科目が多く、勉強から遠のいていた時間が長ければ長いほど、ハードルの高い受験と言えます。消防士の採用試験は試験日が重ならない限り併願が可能ですので、近隣の自治体の試験日を確認し併願することをお勧めします。, 消防士の採用試験では、基本的な思考力や文章表現力、文章構成力などを把握するため論文や作文の試験が行われます。その内容は初級者では「自分が目指す消防士像」というような抽象的な題が多いのですが、上級者では「住民の防災意識を高めるための課題と取り組み方について考えを述べよ」というような具体的な考えを問うものが多いようです。, 形式は初級者では作文として出題され、上級者になると論文の形式で提出します。試験時間は60分~120分、必要文字数も800字から1200字、と初級者から上級者に向かうにしたがって難しくなります。実際には「1000字程度」と字数を指定していますので、字数は意識して書きましょう。極端に少ない場合は足きり不合格の可能性があります。, 消防士の職務は危険と隣り合わせのことが多くまた不規則な時間帯での勤務となりますので、体力検査は消防士採用試験の中でも重要視される試験の一つです。体力検査の内容は実施される自治体によって違いますが、主なものとして垂直跳びや幅跳び、反復横跳び、腹筋、持久走、握力などがあります。体力は急につくものではありませんので、体力検査の内容は受験案内などで事前に確認し、常日頃から体を動かし体力をつけておきましょう。, 消防官採用試験の適性検査は消防士としての適正力を測る検査ですが、自治体によっては実施していない所もあるようです。適性検査の内容は、作業能率や正確率を計るためのクレペリン検査(1桁の数列を足して答えを導き出す手法)や受験者の特性を見るY-G式性格検査(120項目の行動や性格、考えに関する質問に答えます)が一般的です。これらの検査は前もって準備するものはありませんので、当日落ち着いて検査を受けましょう。, 近年、一般的な企業だけでなく公務員採用においても採用基準が人物重視傾向にある中、消防士の採用試験でどの自治体でも実施し重要視しているのが面接試験です。一次試験の教養試験は、二次試験に向かう人をある程度の人数に絞るための手段とも考えられます。本格的な消防士の選考が始まるのは、面接試験や体力検査など二次試験からだと言えるでしょう。, 面接試験は合否を左右する大事な試験ですので、一次試験に合格したらすぐに面接試験の対策を始めましょう。消防士の面接試験では、自治体によって面接の形式は違っていますが、主なものとして数人の面接官の前で一人で面接を受ける「個別面接」や数人の面接官の前で受験者数人が面接を受ける「集団面接」、受験者数人がグループとなって出された課題に対し受験者同士がディスカッションを行う「グループ討論」などがあります。, よく出される課題は「消防士になりたい理由」「自己アピール」「今まで行ってきたスポーツ、その中で大変だったこと、大変であった時に行った対策」などで、他にも多肢にわたって課題が出され消防士に関連した情報収集が行われます。事前に消防士の仕事や組織についての正しい情報を確認し、消防士を目指す理由や消防士になってからの最終的目標など、具体的に自己分析を行っておきましょう。, 消防士は以前から人気職で欠員が出にくいため、長年高い倍率を維持しています。さらに一般企業の不景気で公務員人気が高まっていることや、近年災害が多発している中消防士の活躍が目立った影響もあり、消防士採用試験の倍率はさらに高まり合格率は低くなってきています。東京消防庁は採用人数が多いので地方自治体に比べるといくらか倍率が低くなっているようですが、それでも競争は激しく合格率は低いと言えるでしょう。, 具体的に例年の倍率を示しますと「1類=上級」は約6倍〜10倍、「2類=中級」は約11倍、「3類=初級」は約13倍となっています。東京消防庁の平成29年度の職員採用倍率を見てみますと、「全体では19.9倍」「1類1回目は17.5倍、2回目は21.4倍」「2類は32.1倍」「3類は20.0倍」とかなり倍率が高くなっており、合格率の低さが伺えます。地方自治体の倍率はこれよりもさらに高いと考えてください。, 消防士の採用試験は、試験の難易度によって採用区分が上級・中級・初級と分かれていますが、教養試験が比較的難易度の低い初級であっても倍率は高く、採用人数は決まっていますので、最終的な難易度は決して低いとは言えないでしょう。また地震や水害など災害が多発しており、近年テレビなどで消防士の活躍を見て消防士を目指す人が増えてきていますので、これからさらに難易度が増してくることが容易に想像できます。, 出典: http://maebashiikueirugby.blog.fc2.com, 高校生で消防士を目指した場合、気になるのが「消防士になるためには大学や専門学校へ行く必要があるのか?」「高校卒業してすぐに消防士になることが可能か?」ということでしょう。単刀直入に言って、高校を卒業してすぐに消防士になることはできます。最初にお知らせしたとおり、各自治体で行われている消防士の採用試験に合格すれば消防士になれます。, ただし、身長や体重、視力など受験資格が決められていますので、採用試験を申し込む前に希望する自治体の採用試験要項で受験資格の有無を確認しましょう。消防士の採用試験は年齢制限と試験の難易度で3つの区分に分けられていますが、高校卒業してすぐの年齢だと初級の区分で受験可能となります。消防士の採用試験の中で初級の教養試験の難易度は低いももの受験者は多く、合格率は低くなりますが条件は皆同じです。, 同期の消防士の場合の大卒と高卒の違いを見てみましょう。まず初任給の違いが上げられます。基本的には大卒の方が初任給が高くなっており、高卒と比べて一般的に4万円~5万円ほど高くなっているようです。また、昇級がしやすいのも大卒の方だと言われています。仕事内容を比べると、最初は救助活動など現場での活動は同じですが、大卒の方が昇進スピードが速いとされ管理職などの役職につきやすいとされています。, 消防士の採用試験の難易度や倍率、合格率から見てみますと、教養試験の難易度は初級・中級・上級と上級になるにしたがって徐々に上がってきますが、多くの自治体では大卒者を高卒者よりも多く募集していますので、高卒に比べ大卒の方が倍率が低く合格率が高いと言えます。, このように見てきますと、給与面や昇級面を考えると大卒の方が有利と思われますが、消防士になった目的によってはどちらが良いとも言えないようです。現場での高度な技術が求められるレスキュー隊には、早くから経験を積んでいる高卒の方が有利とも言われますので、大事なのは自分の消防士としての明確なスタンスを認識しておくことでしょう。, 消防士の採用試験に特化した大学の学部や学科はないようです。しかし、公務員試験のための模擬試験やパンフレット作成など公務員試験のためのサポート体制が充実していたり、救急救命士の資格取得のために充実した制度が整っている大学はあります。, 消防士に採用された人の出身大学を多い順から見てみますと、上位に国士舘大学や帝京大学、帝京平成大学、日本大学、京都橘大学、東海大学などが名を連ねています。将来の職業として消防士を視野に入れ大学選考をしている人は、参考にしてみてください。, 救急救命士とは、医師の指導の下一定の医療行為を許可された救急救命処置の資格を持つ人で、多くは消防職員として救急車に乗り、怪我人や病人を救命しながら病院へ搬送する仕事を担っています。自治体ごとに救急救命士の資格保有者の募集がされ、多くは一般的な消防士採用試験と別枠で受験できますので、募集人数は少ないものの合格率は一般的な消防士採用試験よりは高いと言えるでしょう。, 救急救命士の資格取得には、救急救命士は国家資格ですので国家試験を受験し合格する必要があります。救急救命士の国家試験を受験する資格は、救急救命士養成所で2年間学習するか、医療分野の専門学校や大学で救急救命士に関係のある科目を履修することで得られます。高校卒業後最短2年で国家試験を受験でき、例年の合格率は80%台と高水準ですので、救急救命士の資格を取得して消防士の採用試験を受験する人も少なくありません。, 救急救命士の国家試験と消防士の採用試験を同時に受験し、消防士の採用試験だけ合格した場合は救急救命の職務はできませんが、消防士として働くことはできます。消防隊員として実務経験を積み、所定の実習を終了したら救急救命士の国家試験受験資格を得ますので、その後救急救命士の国家試験に再挑戦する人もいます。, 消防士は人気職であり、受験する人が多く倍率は非常に高いものがあります。消防士の採用試験で最初に行われる教養試験は、公務員試験の中でも比較的簡単だと言われています。しかし、合格率は低く一次試験を合格しないと二次試験を受けられませんので、一次試験は力を抜けない試験ということは言うまでもありません。また二次試験では消防採用試験特有の体力検査がありますので、早くから体力強化を心がけましょう。.